苦手意識と決別へ 田中希実、クイーンズで実業団駅伝デビュー

苦手意識と決別へ 田中希実、クイーンズで実業団駅伝デビュー

「クイーンズ駅伝in宮城 第42回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会」は27日、宮城県を舞台に6区間42・195キロで争われ、7月の世界選手権で3種目出場した豊田自動織機の新人、田中希実(23)は1区で登場した。

スタート直後に資生堂の木村友香が飛び出し、それを追う展開に。ハイペースを維持する木村を抜き去ることはできなかったが、冷静にラップを刻んで2位でタスキをつなぎ、上々の実業団駅伝デビューを果たした。

「足元がぐちゃぐちゃの状態。結果を見すぎた(求めすぎた)」

レース前日の記者会見。言葉を重ねれば重ねるほど、目に涙がたまった。仲間の思いをつないでいくクイーンズ駅伝は、走る喜びを再び見いだすための戦いになった。

宮城、特に仙台は全日本大学女子駅伝のコースとして定着しているが、大学時代はクラブチームで活動したため、「走った記憶がほとんどない」場所だ。単独チームの一員としてたすきをつなぐのは、兵庫・西脇工時代に3年連続で出場した全国高校駅伝以来。「自分の走りがチーム全体に影響を与えてしまう」と駅伝に苦手意識を抱いていた自分との決別が、今回のテーマでもあった。

2、4区の距離は3キロ台だが、それ以外の区間は6キロ以上のクイーンズ駅伝。5000メートルまでを主戦場にするが、勝負に打って出たのは自身の成長を実感しているからだ。東京オリンピックの女子1500メートルでは日本選手で初めて入賞(8位)したが、中距離のエースの地位にあぐらをかかず、今春は3週間で400メートル~1万メートルのレースに相次いで参加。さらに、世界選手権では専門外の800メートルを含めた3種目に出場した。

「今までの駅伝だと準備を頑張りすぎて当日までに心身が疲労して、あっさり離されてしまうことがあった。今なら、トラックでいろんな種目に取り組んだ粘り強さを生かせるかなと思う」

駅伝では、思うような走りができない――。実業団日本一決定戦は、そんな暗示を解くのに格好の場所だった。【岩壁峻】

全日本女子実業団駅伝選手権大会

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